『神曲奏界ポリフォニカ エターナル・ホワイト』

通称「ポリ白」1巻


誰かが「黒」の次に「赤」へ行ったから、「青」「白」に進んだなんて、何の事ですか?(笑)


「赤」、「黒」、「青」の時代よりもっと前。精霊島が実在した頃のお話です。

記憶をなくして海辺に居たところをお嬢様に保護されて、お嬢様付きメイドとなった少女は、
スノウドロップと名づけられ、お嬢様の事のみを第一に考えて働いていた、
今度の演奏会が、お嬢様が精霊島の全寮制の神曲の学校へ行くための選抜である事を知って、
「選ばれるのは当然」と思う反面、自分がそばに居られなくなる事を心配していた。
しかし、謎の梅干好きの変人の介入によって、
楽譜すら読めない素人の彼女が選抜抜きで特別推薦されて、お嬢様らと一緒に音楽学院に入学する羽目になる。
いくつかの出来事を経て、神曲を学ぶ事を選択した彼女だが…


主人公が珍しい立ち位置に居る事を除けば、実に正統派なファンタジー学園モノ。
主人公の生い立ち(と言うか拾われる事になった理由)や、謎の記憶など、ギミックもたっぷり。
キャラ立ちも良いので、愛憎劇も納得いく範囲で、素直に読める。
やや、少女漫画風な挿絵も時代設定のおかげか、ソコまで気にならない。


設定が設定だけに、ムチャしすぎるとポリフォニカ世界の世界観をガタガタにしそうだけど、
元のアイディア自体は赤の榊先生との雑談から出た*1だけあって、矛盾は少なそう。


この手のジャンルが好きな人なら問題なく読める、良作。


買ってから気付いたのだが、
帯が「ポリ赤アニメ化」の上から「GA文庫1周年」の物が巻いてあり、
二重になっててギチギチ。(笑)


神曲奏界ポリフォニカ エターナル・ホワイト (GA文庫)

神曲奏界ポリフォニカ エターナル・ホワイト (GA文庫)

*1:あとがき参照