『遅れて来た魔法使い―小娘オーバードライブ3』

「小娘オーバードライブ」シリーズのソノラマノベルズ版の3作目


あらすじ

小石川家の玄関を訪ねてきた、自称「魔法使い」は、のぼるの曾々祖父の道羅ェ門に受けた恩を返すために、
「何でもひとつ願い事を叶えます」と言い出した。
その場に居合わせた京士郎は、彼の態度に反発を覚えるあまり
「この世を少しでもマシなものに変えてくれ」と言ってしまい、
のぼるの承認を経て願いとして受理されてしまった。
魔法使いの方法を探っているうちに、見逃せない事態と成り出して、
ドタバタ劇へと発展していく。


以前のシリーズと違って、全編書下ろしの新作なのだが、
シリーズとしての統一感を整えるためか、どこか古臭さが残る。
あとがきによれば、「現代から異世界に行って活躍する物語の逆パターンを作りたかった」らしいが。
レギュラー陣に対して、ゲストキャラとしては、イマイチ弱いかな?


このパターンも実はかなり昔から有って、
とまとあき夫妻の「私の勇者さま」シリーズ『僕の女神さま』なんかは、
登場人物を絞って、上手く異世界と現代の違いに戸惑う魔法使いを描いている。


それに比べると、万能すぎて、ただの案内人的なサブキャラに落ち着いて、印象が薄い。
主人公もいつの間にか京士郎になってるし。
なんか満足度が少し足らないかな?




潜水艇と基地との有線接続に用いるケーブルがガラスファイバーってのがイマイチ納得いかない、
そんな折れやすいもの使うぐらいなら、プラ系の光ファイバーの方が有利な筈では?
位置や艦内状況のモニタと音声通信だけなら、メタル系でも容量的には足りそうだが…