そりゃ違う


F-22の配備についてモトキさんが吠えていた。
曰わく
「ステルスなんて、(他国に侵入するために)レーダーから隠れる機能だから、自衛のためには必要ない」
あのー、レーダーって地上だけでなく、敵戦闘機(やミサイル)にも積んでるってわかってます?


次世代の空中戦においては、
ミサイルが槍で、ステルスが盾で、機動性能が馬の能力の、騎馬戦状態です。
矛盾のことわざどおり、攻守両方が完璧なんて事はないんですが、
ある程度選択が効くミサイルはともかく、
盾と馬にあたる性能は機体に依存します。


次世代機の中でF-22は最強と目されてます。
シミュレーション上では、現世代機相手では、
「(ミサイルが足りなくなる様な?)よほどの物量作戦でもしない限り負けない。」
との結果になっている様です。


当然、仮想敵国たる旧東側陣営もF-22に相当する次世代機を開発しています。
今のところF-22の優位ですが、技術競争なので逆転がないとは言えません。


その次世代機の戦いの中で、現世代機のF-15では不利なので、早めに次世代機に交代したいのが自衛隊の本音でしょう。
少なくとも数で圧倒作戦は無理ですから。(機体数以上に人的資源の問題がある)


また、日本は地形的に(韓国以外は)、戦闘機単体では戦えません。
*1
(空母はあり得ないので)空中給油機が最低限必要ですね。
もし侵攻ともなれば、複数のチームが必要ですが、そんなにたくさん買わせてくれますかね?


ちなみに、
隣国には、次世代機導入しつつ、空中給油機持っていて、空母も計画中の国がありますが、
そちらはスルー?




つまり、(計画以前の)構想段階でも、空自には侵攻は無理です。
更に言えば空だけ一時的に制しても、維持が出来ない以上無意味。
従って、今のところF-22導入した所で防衛にしか使いようがない。
逆に数年後を見越した計画にクレームつけて、
もし侵略を受けた時に、数も性能も上の敵機を相手にして、
パイロットに「(技量や精神で)なんとかしろ」と言う様な状況はマズいんではないでしょうか?


もちろん、米軍と共同して侵攻となれば、今の空自の能力でも役立つ*2けど、
それは全く話が別。




現代戦においての個々の役割を無視して、表面だけみて批判する悪癖が出てるなー
なんぼ強い戦闘機でも、それだけでは侵攻作戦は出来ないのです。


現代戦の基本的な流れ*3
最低限、戦略対地ミサイル群や爆撃機での打撃を行って、
海上戦力の支援を受けて上陸作戦を行い、
地上戦力を投入して、地域を確保
この手順です。
もちろん、(ミサイル以外の)全ての段階で制空権の確保が重要なので、戦闘機が必要になってきます。


では現在の自衛隊で侵攻作戦が出来るか?と考えた場合、
戦略タイプの対地ミサイル無い、
爆撃機も無い
上陸戦の装備もほとんど無い
まさに、ないないづくし(笑)
そして最も深刻なのは、防御と補給路確保に戦力を必要とするので、攻めるだけの数が圧倒的に足りない


個々の能力が高いので、制空権と制海権を取れそうですが、
地上からドカドカ撃たれたら、どうにもなりません。*4


そこらの全体を見ずに、個々の事象だけ取り上げて、
一喜一憂した所でなんの意味もありません、
攻める場合は。


防衛に視点を移せば、見方が変わります。
一部*5に不安は残りますが、同盟国が動くぐらいまでは保つんではないでしょうか。




偏った情報だけに基づいて、非難だけする様な態度は、
その影響力を考えた場合、如何なものか?と思います。
(朝日系列の)KBC社員以上に、朝日新聞寄りな発言が時折見受けられますが、
それは「正しい」ですか?

*1:最大航続距離だけ見て北朝鮮に届くとか言う人もいますが、非武装状態で片道のみの燃料で何しろと?

*2:むしろ能力を正当に評価している分攻撃より、拠点防御の要撃任務に回されそう

*3:情報戦は略

*4:空自も海自も対地能力はほぼ無し

*5:対戦略ミサイルや補給路確保