『ガーデン・ロスト』読了
あの「人食い三部作」の作者「紅玉いづき」の新作にして初の現代もの、となれば、
どんな景色を見せ付けてくれるのだろうか?
とワクワクしたが、
誤解を恐れず正直に言えば期待ハズレ
普通にそこらに居るような、それでいて少しだけ歪んだ精神的な弱さを抱えて、
高校三年生と言う独特な時期を過ごす四人の女子高生達の生活の物語
結局キャラクターにも物語にも乗る事が出来なかった。
もしかしたら男性女性で読後感が著しく変わるタイプの作品かもしれない。
その意味ではコチラが想定された読者層から外れ過ぎてるのかも。
四人の主人公のそれぞれの内面の揺れ動きを主軸に成長や変化を丁寧に描いている。
それゆえに「三部作」の様な絶望感や驚きの展開は無いし、
当然オチのカタルシスも、肩透かしな位弱い。
普通の女子高生の物語だけに多少の内面の成長はあっても、普通に卒業して終わりで当たり前なのだ。
地味なんだが、「文学」寄りのスタンスをとりたいMW文庫としては、「私小説」っぽくてよいのかも。