詐欺師の手法

例のラジオショッピングでの一節
「歯が20本以上残っている人は、50代で9人に7人が、60代では2人に1人に激減するんですよ」


「激減」か?
「9人に7人」と言う分母がまず意味不明(通分しにくくした?)だが、8割前後か?


では「2人に1人」とは五割か?
ならば、三割減で激減とも言えなくもないが…


実はそうとは限らない。
「二人に」では分母が大き過ぎて内容の幅が大き過ぎるのだ。


思考実験してみよう。
10人中4人の割合を「二人に○人」で表現するとしたら、○にはどう数字を入れますか?
同じく、10人中7人を「二人に○人」にしたら?


おそらくほとんどの人が○には1を入れるはずだ。
流石に「10人中8人」だとバラけてくるだろうが、
かなり幅が有る事は理解出来るだろう。

つまり、
「八割から五割」への変化ではなく
「八割から七割」への変化かもしれないのだ、
普通コレを「激減」とは表現しにくい


本来であれば、何割や何%と分かり易く表現すべきなのに、
「9人に7人」などと普段使わない表現をする辺りに、
「数字のインパクトを操作しよう」と言う意図が見え隠れするのだ。
こういう「不正ではないが不誠実」な手法は問題にすべきだろう。